
今年もまたこの虫の季節がやってきました。
洗濯物などについていて、うっかり触ってしまうと悪臭を放つ虫。そう、カメムシです。地域によってはヘクサムシとも呼ばれますよね。
カメムシは臭いだけではなく、農作物にも被害をもたらし、困っている農家さんも多いのではないでしょうか。
そこで、今回はカメムシの生態と対策についてご紹介します。
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カメムシの生態と発生要因
カメムシとは?

カメムシは昆虫綱カメムシ目(半翅目)に属する昆虫で、
世界中に約40,000種以上が存在します。日本国内にも数百種が分布しています。
現在日本で大量発生しているのは、チャバネアオカメムシ、ツヤアオカメムシといった「果樹カメムシ類」です。
チャバネアオカメムシは国の有害動物に指定されています。
秋によくみられる虫ですが、4月~10月の発生が多く、春からも活発に活動をしています。
カメムシは針状の口を作物に刺して、植物の汁を吸うことで栄養を得ています。
カメムシが発生する要因
では、なぜ現在カメムシが大量に発生しているのでしょうか?
カメムシが大量発生する要因は主に2つあります。
1.気候の変化


カメムシは暖かい気候を好む昆虫です。
温暖な気候はカメムシの繁殖を促進します。
異常気象で暖冬になり、カメムシの成虫が越冬しやすくなると、
通常よりも多くのカメムシが生き残り、次の繁殖シーズンに大量発生する可能性が高まります。
2.餌の増加

カメムシは幼虫時代は山におり、
スギやヒノキの実を主に餌としています。
ヒノキやスギの実が多くなる年は、カメムシの食糧が増え、
より多くの幼虫が成虫まで育ち、大量発生につながっています。
大量発生により餌が足りなくなり人里に降りてきて、
果樹などの汁を吸い、作物に被害をもたらしています。
カメムシによる被害
カメムシが好む作物

では、カメムシはどのような作物を好むのでしょうか?
カメムシは針状の口を作物に刺して植物の汁を吸うことで栄養を得ています。
果樹(特にリンゴ、モモ、ナシ、柿)、野菜(トマト、ナス、ピーマンとパプリカ、カボチャ)、穀物と豆類(大豆、小麦)
を好んで食べます。
カメムシが好む作物一覧
| 分類 | 作物名 |
| 果樹 | リンゴ モモ ナシ |
| 野菜 | トマト ナス ピーマン パプリカ カボチャ |
| 穀物 | 小麦 |
| 豆類 | 大豆 |
カメムシによる作物への被害

特に果樹への被害が深刻です。
吸汁された果物は変形したり、落果したりして商品価値を落としてしまいます。
果樹園によっては防虫ネットをかけずに育てるため、
完全に被害を防ぐことはむずかしいです。
摘果後に被害を受けると、収量が激減する可能性があります。
カメムシ対策の方法
物理的対策
物理的対策は環境にやさしく、カメムシの被害を抑えることができます。
防虫ネットの設置

カメムシが好む作物を覆うために、防虫ネットを使用します。
網目の細かい防虫ネット(1mm以下のもの)を使うと◎
ネットは作物の周囲だけではなく、全体を覆う
袋掛けをする

果樹は木全体にネットをかけるのは難しいため、袋がけをします。
早めに袋掛けをすることで被害を抑えられる!!
果実と袋が接すると袋の上からカメムシが吸汁するので、隙間を開ける
捕獲する

少量であれば手で取り除く方法も有効です。
カメムシ専用の捕獲器を設置することも効果的です。
カメムシ専用の捕獲器はカメムシが好きな色や形状、匂いを利用したものが多く、
カメムシを誘引して摑まえることができます。
また、粘着シートや粘着テープの使用も効果的です。
手で摑まえる場合は、カメムシが動きにくい早朝や夕方に行うのがおすすめ
水を使った洗浄

カメムシが付着している作物に高圧ホースを使用して水をかけることで、物理的にカメムシを取り除くことができます。
石けん水の使用も効果的です。
水に少量の食器用洗剤を加えた石鹸水をスプレーすることで、
カメムシを窒息させ、効果的に駆除できます。
作物に影響を与えないように、希釈した石鹸水を使用し、頻繁には適用しない
ハッカ油をかける

カメムシはハーブの香りが苦手です。
ハッカ油をスプレーボトルに入れて吹きかけておくと、カメムシが寄りつきにくくなります。
ハーブを含んだアロマオイルやお香などでも効果があります。
人が食べる部分にはハッカ油をかけないこと!
化学的対策
化学的対策は、即効性が高く、大量発生時に効果的です。
作物に使えるおすすめの殺虫剤とその使い方を紹介します。
マラソン粉剤3

特徴
マラソンは、広範囲の害虫に効果を発揮する代表的な園芸用殺虫剤です。
神経伝達を阻害して神経機能に障害を起こさせ駆除する、
有機リン系化合物の殺虫剤です。 性状は類白色粉末です。
マラソンは即効性があり、早いと30分ほどで苦悶、落下が見られ、翌日には全て落下します。
使用方法
希釈せずにそののまま作物に散布します。
使用量や使用時期は付属している適用表をご覧ください
・残効性が短いので、発生の長引く虫や、散布後生き残りの多い時は5日位の間隔で2回以上散布してくだい。
・蚕に対して影響があるので、周辺の桑葉にはかからないようにしてください。
・ミツバチに対して影響があるので、以下のことに注意してください。
①ミツバチの巣箱及びその周辺にかからないようにしてください。
②受粉促進を目的としてミツバチ等を放飼中の施設や果樹園等では使用をさけてください。
③養蜂が行われている地区では周辺への飛散に注意する等、ミツバチの危害防止に努めてください。
テルスター水和剤

特徴
テルスター水和剤は適用作物が多く、
カメムシ目害虫やアザミウマ害虫など多くの害虫に優れた効果があります。
即効性にも優れており、散布直後から強い殺虫効果を示します。
また、持続性が長く、少ない散布量で高い防除効果が得られます。
他の薬剤との混用もできます。
使用方法
希釈してから散布をしてください。
希釈倍数や使用時期、使用回数などは付属している適用表をご覧ください。
・蚕に対して長期間毒性があるので、散布された薬剤が飛散し、桑に付着する恐れのある場所では使用を避けてください。本剤の散布の際に着用していた衣服は養蚕作業に用いるものと区別してください。
・ミツバチ・マルハナバチに対して影響があるので、十分に注意してください。
・水産動植物(魚類・甲殻類)に影響を及ぼす恐れがあるので、河川、養殖池等に飛散、流入しないように注意してください。
アクタラ顆粒水溶剤

特徴
優れた浸透移行性により、作物の隅々まで行き渡る予防効果で、隠れた害虫も逃さない殺虫剤です。
葉への吸収率が良いために、効果が安定しており、
耐雨性も優れています。
溶けやすい顆粒水溶剤で、粉立ちも少なく、
作物の汚れもほとんどありません。
使用方法
希釈してから散布や灌水をしてください。*
希釈倍数や使用時期、詳しい使用方法などは付属している適用表をご覧ください。
*作物によって使用方法が異なります
・蚕に対して影響があるので、周辺の桑葉にはかからないようにしてください。
・ミツバチ及びマルハナバチ等に対して影響があるので、以下のことに注意してください。
①ミツバチ及びマルハナバチ等の巣箱及びその周辺にかからないようにしてください。無人航空機による散布でそれらに飛散するおそれがある場合には使用しないでください。
②受粉促進を目的としてミツバチ及びマルハナバチ等を放飼中の施設や果樹園等では使用をさけてください。
③関係機関(都道府県の農薬指導部局や地域の農業団体等)に対して、周辺で養蜂が行われているかを確認し、養蜂が行われている場合は、関係機関へ農薬使用に係る情報を提供し、ミツバチの危害防止に努めてください。
自然的対策
環境を整備したり、自然を利用することでも対策ができます。
天敵の利用
天敵を利用することで、カメムシの数を効果的に管理することができます。
寄生蜂の利用

「寄生蜂」とは別名「タマゴバチ」とも呼ばれ、
昆虫の卵に自分の卵を産み付けて一緒に大きくなり、
ゆくゆくは寄生した昆虫を殺してしまう蜂です。
寄生蜂を農場に導入することで、カメムシの個体数を自然に減少させることができます。
捕食者の導入

クモ、カマキリ、カエル、鳥類など、カメムシを捕食する生物を農場に誘引または導入することも有効です。
鳥の巣箱や水浴び場や昆虫の生息場所を提供するなど、天敵が快適に暮らしやすい環境を整えることが大切
環境管理
農場の環境を適切に管理することで、カメムシの発生を抑えることができます。

農場の清掃と除草
カメムシは草むらや落ち葉の中に潜んでいることが多いため、
農場内の不要な植生や落ち葉を取り除くことが重要です。
これにより、カメムシの隠れ場所を減少させ、発生を抑制できます。
越冬場所の除去
カメムシは冬に建物の隙間や落ち葉の下で越冬します。
農場や作物の周囲からこれらの潜伏場所を除去することで、
春にカメムシの発生を抑えることができます。
落ち葉や枯れ草を定期的に清掃し、建物の隙間を塞ぐと◎
植栽と生態系管理

カメムシが好む作物を連作するのではなく、
異なる種類の作物を混作したり、輪作することで、
カメムシの発生を抑えることができます。
これにより、カメムシが特定の作物に集中するのを防ぎ、
生態系全体の健康を保ちます。
また、カメムシが嫌う植物(例:ネギやニンニク、ハーブ)を
畝の間や作物の周りに植えることで、
カメムシを遠ざける効果があります。
効果的なカメムシ対策のポイント

早期発見と予防
カメムシの被害を最小限に抑えるためには、
早期に発見し対策を講じることが重要です。
そのためには、作物の定期的なチェックをしましょう!
カメムシは秋だけではなく春からも活動しているので、
春の時期からの予防も大切です。
見つけたら即対応
カメムシは集団行動を行う傾向があります。
被害の拡大が早く、気づいたら大量の作物が被害にあっていることもあります。
1匹でも見つけたら、即座に対策をすることが重要です。
まとめ
今回はカメムシの生態と効果的な対策方法を紹介しました。
カメムシは活動期間が長く、一年を通しての対策が必要です。
日ごろから被害がないかをチェックをするようにしましょう。
カメムシの対策には様々な方法があるので、
ご自身にあった方法を選び、大切な作物を守りましょう。
今回紹介した商品はこちら
| 商品画像 | 商品名 | 特徴 |
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MARSOL 防虫メッシュきらり 1.35m×5m |
上から水やりができる 防虫ネット |
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防虫ネット (目合0.6mm) 1.5×100m |
網目が細かい 防虫ネット |
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0.9m×100m ナチュラル タキイキラリネット E1010 |
乱反射と目ズレしない ネットで防虫効果に 優れている! |
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1.35m×100m ナチュラル 防虫サンサンネット EX2000 |
アルミ格子入りの 防虫ネット |
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100枚 果実袋 ぶどう さし込みぶどう傘 乳白色 |
ぶどう用 果実袋 |
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100枚 リンゴ用 果実袋 サンアップル袋 |
リンゴ用 果実袋 |
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100枚 桃用 果実袋 オゾンS | 桃用 果実袋 |
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100枚 なし用 果実袋 白ワックス | なし用 果実袋 |
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カメムシキャッチャー ゼロビーム カメムシ捕虫器 |
モスバリアと合わせて使う カメムシ捕虫器 |
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吸引式捕虫器 NMT-15B1LG | 光で引き寄せ、 ファンで吸引! |
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虫ペタッと粘着シート 黄色 | 強い粘着力で、 どんな虫も捕獲できる! |
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ビタットトルシー S100枚入(青色) | 害虫を色で引き寄せて捕獲 |
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マラソン粉剤3 3kg | 即効性のある 有機リン系化合部の 殺虫剤 |
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テルスター水和剤 100g | 即効性と持続性に優れた 殺虫剤 |
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アクタラ顆粒水溶剤 100g | 隠れた害虫も逃がさない! |
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種子 20ml ネギ 日本海 北越育成 | 耐寒性、肥大性に優れた 黒柄系一本太ねぎ |
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タキイの ねぎ培土 ネギ専用 | ネギ専用育苗用の 長期肥効型培土 |
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1kg 栽培用 ニンニク 青森県産 | 青森県産 栽培用 ニンニク |
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里いも・にんにく 専用肥料 | アミノ酸を含む肥料で おいしい野菜作り |
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