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カミキリムシの生態と樹木への被害について!予防・駆除するには?

カミキリムシは、木の幹に穴をあけて住み着く害虫です。被害を受けることで、樹木が弱ってしまいます。この記事では、カミキリムシの特徴や被害、駆除の方法や予防策などについて解説します。カミキリムシに悩んでいる方や、カミキリムシの被害を防ぎたい方は、ぜひ参考にしてください。
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目次

カミキリムシとは

カミキリムシは、コウチュウ目カミキリムシ科に属する甲虫の総称であり、「髪切虫」と漢字で表記されます。この名前は、その強力な噛みつきによって髪を切るほどの力を持っていることに由来しています。

種類がとても多く、日本で確認されている種類だけでも約800種以上です。(世界では3万種以上確認されています)幼虫は幹の中を鉄砲玉が貫通したように食い進めることから、テッポウムシとも呼ばれます。

 

カミキリムシの生態について

カミキリムシの産卵期間は6~10月で、最盛期は6~7月です。樹木の幹の中に卵を産みつけます。樹勢の衰えた木や老木を好んで産卵します。卵の孵化は1週間前後で、幼虫は樹木を食べて成長し、幼虫の期間は1~2年間です。

カミキリムシの穴は地面から約50cmの高さのところにあり、糞はおがくず状なので、木の根元におがくずのようなものがある場合、カミキリムシの幼虫がいる可能性が高いです。5~6月ぐらいにサナギの時期を経て羽化し、木に穴を空けて外へ出ます。成虫が活発に活動する時期は5~6月です。寿命は数週間~2ヶ月程度。

 

カミキリムシによる害

カミキリムシによる害はどのようなものがあるのでしょうか。幼虫、成虫によって被害が異なるので、それぞれ説明します。

幼虫時の害

カミキリムシの幼虫は、樹木の内部を食べます。食害によって木の内部が空洞になって脆くなり、最悪の場合、幹の途中で折れてしまいます。

成虫時の害

幼虫の害が大きい印象ですが、成虫での被害も少なくありません。基本的には草食性ですので、葉、茎、木皮、樹液、花、花粉など、カミキリムシの種類によって好んで食べるものが異なります。

しかし、かじられたとしても、範囲が小さければ枝が枯れることはなく、木が持つ自然治癒力により、かじられた部分を数年かけて樹皮で覆って塞いでいきます。

 

被害を受けやすい作物

カミキリムシは様々な種類がいるため、種類ごとに好き嫌いがあり、被害の受けやすい木と受けない木があります。主にモミジ、バラ、ヤナギ、栗の木、みかんなどの柑橘類、イチジク・梨・桃などの果樹類が被害を受けやすいです。

 

被害の予防方法

カミキリムシの成虫は卵を200個程度産み付けると言われており、被害に遭わないためにも成虫を寄せ付けないことが大切です。カミキリムシの成虫を寄せ付けないためには、どのような対策をしたらよいのでしょうか。

剪定・施肥して樹木を元気にする

カミキリムシは樹勢の衰えた木や老木を選んで産卵することが多いです。そのため古い枝、混み過ぎた枝を剪定し、肥料をまいて樹木自体を健康に保つことが大切です。

庭木なども管理が面倒かもしれませんが、しっかりと管理することでカミキリムシの被害を防ぐことが可能です。カミキリムシの被害が大きくなると、枝が折れるだけでなく、最悪のケースとして倒木の危険性があります。

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剪定した枝などそのままにしない

樹勢を良くするために剪定した枝、伐採した木を地面に置いたままにせず、しっかりと処分することが大切です。そのまま放置すると、カミキリムシが集まってくる可能性があります。

 

雑草を無くし見通しを良くする

雑草が多く、カミキリムシの成虫が隠れやすくなると、カミキリムシが住み着きやすくなるので、除草することが大切です。

 

薬剤などを散布する

カミキリムシを寄せ付けないように、薬剤の散布が有効になります。薬剤を使えない箇所であれば、木酢液などを散布するのが有効です。

 

防除ネットを取り付ける

カミキリムシを物理的に寄せ付けないようにするため、防除ネットを取り付けておくのも有効な手段といえます。

 

カミキリムシの駆除

カミキリムシを発見した際に、被害を大きくしないため駆除が必要になります。駆除するには何が有効なのでしょうか。

幼虫の駆除

針金での駆除

幼虫は樹木の茎に穴を空けた中に生息しているため、穴の中に針金を突っ込んでかき出すことで駆除することができます。穴の周辺におがくずのようなものがあるとカミキリムシが卵を産み付けた可能性が高いので、注意深く観察しましょう。

薬剤での駆除

薬剤での駆除も有効です。家庭菜園やガーデニングされている方であれば、ノズルの付いたスプレータイプも簡単でおすすめです。穴の中へスプレーを噴霧して殺虫します。

駆除した後は

駆除した後は樹皮テープやツギロウ、園芸用のパテなどを用いて塞いでおくことをおすすめします。手の届くところであれば、なるべく埋めておきましょう。

 

成虫の駆除

薬剤による駆除

幼虫同様、薬剤の散布によって駆除することが可能です。カミキリムシに薬剤がかかるだけではなく、カミキリムシが薬剤のついた木を食べることで、影響を与えます。

捕殺する

成虫を見つけたら捕殺しましょう。薬剤に対して耐性のある種類もいるので、確実に仕留めるには捕殺することが大切です。

 

カミキリムシ防除におすすめの薬剤

カミキリムシに防除におすすめの薬剤を紹介します。

ガットキラー乳剤 500ml

「ガットキラー乳剤」は、カミキリムシなどの穿孔性害虫に対して強力な防除効果を持つ農薬です。同じような有効成分のある農薬と比べて、樹木に対して浸透性が高いので、樹皮下に食入った幼虫に対しても優れた効果を発揮します。

 

ガットキラー乳剤の使い方

カミキリムシ類に使用する場合は下記の通り使用しましょう。

みかん

・希釈倍率: 30〜50倍
・使用時期: 産卵〜幼虫喰入期前 ただし収穫14日前まで
・総使用回数: 1回
・使用方法: 樹幹から地際部へ散布

夏みかん

・希釈倍率: 30〜50倍
・使用時期: 産卵〜幼虫喰入期前 ただし収穫120日前まで
・総使用回数: 1回
・使用方法: 樹幹から地際部へ散布

りんご

・希釈倍率: 50〜100倍
・使用時期: 産卵初期〜産卵最盛期 ただし収穫30日前まで
・総使用回数: 3回以内
・使用方法: 樹幹から地際部へ散布

・希釈倍率: 50〜100倍
・使用時期: 萌芽前夏切り直後、晩秋蚕終了後
・総使用回数: 6回以内
・使用方法: 樹幹部および主枝へ散布

 

  みかん 夏みかん りんご
希釈倍率 30〜50倍 30〜50倍 50〜100倍 50〜100倍
使用時期 産卵〜幼虫喰入期前
ただし収穫14日前まで
産卵〜幼虫喰入期前
ただし収穫120日前まで
産卵初期〜産卵最盛期 
ただし収穫30日前まで
萌芽前夏切り直後
晩秋蚕終了後
総使用回数 1回 1回 3回以内 6回以内
使用方法 樹幹から地際部へ散布 樹幹から地際部へ散布 樹幹から地際部へ散布 樹幹部および
主枝へ散布

 

注意事項

・アルカリ性の強い農薬との混用は避けてください。
・アブラナ科の作物をはじめ、茎葉の生育中の作物には薬害を生じるので付近にある場合にはかからないよう注意して散布してください。
・自動車、壁などの塗装面、大理石、御影石に散布液がかかると変色するおそれがあるのでかからないように注意してください。
・水産動植物に影響を及ぼす恐れがあるので、河川、養殖池等に飛散、流入しないようにしてください。

 

 

まとめ

商品 特徴
ガットキラー乳剤
浸透性が高く
樹皮下に入った幼虫にも
優れた効果

今回はカミキリムシの生態、予防方法、駆除方法を解説しました。日頃から木の管理や除草を行うことが最も大切です。またカミキリムシを見つけたら、被害が拡大しないようにすぐに駆除するようにしてください。

カミキリムシの予防や駆除には、さまざまな方法がありますので、ご自身の状況や環境に合わせて、適切な予防・駆除方法を選び、大切な農作物を守りましょう。

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