脱サラ農業を始めるメリットとデメリットを解説 | 成功のポイントとは

2023年4月3日

近年、脱サラ農業への注目が高まっており、生活拠点を地方へ移す人が多くいます。脱サラ農業は、人生を変える大きな決断になるため、慎重に判断しなくてはなりません。この記事では、脱サラ農業を始めるメリットとデメリットをわかりやすく解説します。脱サラ農業を実行する手順や成功に導くポイントも解説するので、脱サラ農業を検討する際の参考にしてください。

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脱サラ農業が注目されている

　
脱サラ農業は、会社員を辞めて、農業でビジネスを行うことです。30〜40代の世代の人が中心になって、農業を始める人が増えています。農業をビジネスとして始めるには、経営能力や作物の栽培技術、知識が必要です。なかには脱サラ農業を実行して、途中で挫折する人もいますが、実際に地方へ移住し、ビジネスを成功させる人もいます。

脱サラ農業が注目されている理由とは

脱サラ農業が注目を集めた理由は、農業を始める人の支援が充実し始めたことや、社会の働き方の変化です。以下で詳しく解説します。

就農支援機関の整備が進んだ

脱サラ農業が注目されている理由の1つは、就農支援機関による支援体制の整備です。農業を行う人の減少を受けて、自治体や行政機関が全国的に就農支援機関の整備を進めました。現在は就農支援機関の整備が進み、新しく農業をビジネスとして始める新規就農者への支援体制が充実しています。各自治体には相談窓口も設置されたため、就農を検討している人は窓口で相談と情報収集が可能です。

給付金・補助金制度が利用できる

新規就農者を対象とする給付金や補助金制度の整備も、脱サラ農業が注目されている理由の1つです。補助金制度の1つである「農業次世代人材投資資金」は、準備資金や運転資金などの就農に関わる資金援助を目的としており、申請すれば、対象者に給付金が支給されます。制度の整備が進み、就農に必要な資金の準備が難しい若い世代でも、農業を始めやすくなりました。

ライフスタイルや働き方が変化した

新型コロナウィルスの影響による、ライフスタイルや働き方への変化も、脱サラ農業が注目されている理由です。自分や家族のライフスタイルを見直す人が増えて、仕事へのやりがいや田舎で農業を始める憧れの実現などを求める人も増えました。リモートワークで地方に移住する人も増加しています。働き方の多様化は、新規就農者を増やしたきっかけの1つです。

脱サラ農業の4つのメリットとは

脱サラ農業には、働き方や働く環境に関してメリットが多くあります。以下で、4つのメリットについて解説します。

働き方の自由度が上がる

脱サラ農業のメリットの1つは、自分のペースで働けて自由度が高い点です。会社員は、働く時間が決まっている場合が多いですが、農業をビジネスにすれば、仕事と休みのバランスを自分で決められます。栽培する作物によって異なりますが、長期休暇が取れる場合もあります。農業は、働き方を自分でコントロールしたい人におすすめの仕事です。

自然が多い環境で働ける

自然が多く開放的な環境で働けるのも、脱サラ農業のメリットです。四季を感じながら、自然に囲まれて働けます。都心で働く会社員では、周囲に自然が少ない場合が多く、自然と近い場所で働くことは難しいでしょう。脱サラ農業は、ビルが多い環境で働き続けてストレスを感じている人に向いています。

サラリーマン社会から出られる

脱サラ農業をすれば、サラリーマン社会で感じていたストレスが減らせます。取引先や上司との人間関係、通勤電車などのストレスは、サラリーマン社会特有のストレスです。脱サラ農業にも先輩農家の人や地域の人との人間関係はありますが、主な業務は作物の栽培です。脱サラ農業によって、抱えていた複数のストレスから開放されます。

新しい発見や喜びが得られる

農業では、日々働くなかで新しい発見と喜びが得られます。考えながら、工夫して仕事に取り組む必要があり、自身の成長にもつながる仕事です。害虫や悪天候などのアクシデントを乗り越えた後の収穫には、大きな喜びがあるでしょう。農業だからこそ感じる食べ物があることへの感謝の気持ちや、作物を栽培することの感動は、脱サラ農業の大きなメリットです。

脱サラ農業の3つのデメリットとは

作物によっては長期休暇が取りにくい

脱サラ農業のデメリットは、栽培する作物によっては、長期休暇が取りにくい点です。毎日状況の確認が必要な作物もあるため、大型連休の取得が難しい場合があります。休暇は、作物の種類や状況に合わせて、自己責任で決めなければなりません。

周囲の農家に配慮しなければならない

脱サラ農業で地方に移住した際には、近隣農家への配慮が必要です。農業をしていると、情報交換や農機具の貸し借りといった助け合いが重要になる場合もあり、関係性が悪いと仕事がやりにくくなります。

十分な収入を得るまでに時間がかかる

脱サラ農業のデメリットの1つは、ビジネスを始めてすぐに成果が出にくい点です。1年目は収入がほとんどない可能性もあります。十分な収入を得るまでには、根気強い努力と時間が必要です。

脱サラ農業を実行する手順とは

具体的な計画を立てる

脱サラ農業を成功させるには、農業を行う具体的な計画が必要です。農業を行った経験がない場合は、具体的な計画を立てるのは難しいため、農業を始める地域と育てる作物を決めるところから始めましょう。地域の産業振興課もしくは産業課への相談もおすすめです。収益モデルや作物の特徴など、役に立つアドバイスがもらえます。

資金調達を行う

農業には、始めるための費用や生活費が必要です。農業は、作物を収穫するまで収入がありません。収入が得られるまでの期間、生活費や経費も含めた資金の計算と準備が必要です。自己資金ですべての費用を準備できればよいですが、給付金や補助金制度も活用しましょう。地域の産業振興課もしくは産業課には、農業を始めるための必要資金についても相談できます。

技術を身につける

農業の技術は、脱サラ農業を実行する前に学びましょう。農業担い手育成センターや農業大学校を利用すれば、効率よく農業が学べます。学習期間やカリキュラム、費用を考慮して、選ぶことが大切です。また、就農を予定している地域の農家の人から学ぶ方法もあります。農業の技術を教えてくれる農家を紹介してくれる自治体も一部あるため、窓口に相談してみましょう。

脱サラ農業を成功に導くポイントとは

農業体験の参加や人脈づくり、作物の候補決めは、脱サラ農業を成功させる重要なポイントです。以下でそれぞれ解説します。

農業体験に行く

脱サラ農業を実行する前に、農業の現場を体験しておきましょう。農業は肉体労働が多く、体力や忍耐が求められる仕事です。農業の大変さを理解してから始めることが、脱サラ農業を成功に導きます。会社員で時間が限られている場合は、1日限りのバイトがおすすめです。スケジュールに無理なく農業体験ができます。

就農地域で人脈をつくる

人脈づくりは、脱サラ農業の成功につながる重要なポイントです。作物の効果的な栽培方法や販売ルートの開拓など、自治体や農家の人から得られる情報は、農業の成功に影響します。就農を予定している地域の自治体や農家の人との良好な関係づくりを大切にしましょう。地域のイベントにも積極的に参加することをおすすめします。

事前に作物の候補を決める

栽培する作物の候補は、脱サラ農業を始める前に決めておきましょう。土地探しの効率が上がり、作物に合った環境を作りやすくなります。土壌や気候、水質などは、作物の品質に影響する重要な要素です。作物に合った土地探しは、作物の品質に影響します。作物の候補が決まれば、収穫量や収穫時期の見通しができて、収益計画を考える際にも役立ちます。