ジベレリンとは?
植物ホルモンの一種で、植物の成長を助けるホルモンです。
ジベレリンは、日本人研究者が稲の病気「イネばか苗病」(稲が細長く伸びる病気)からイネばか苗病菌を発見し、イネばか苗病菌から取り出したものを他の植物にかけたところ他の植物が著しく成長したことから伸長効果を促進する作用があることを発見し、これが「ジベレリン」という物質として認識されたのが最初といわれています。

ジベレリンの作用
ジベレリンには主に4つの作用があります。
- 植物を発芽させる作用
- 茎や葉を伸ばす作用
- 花を咲かせる作用
- 受粉しなくても実を肥大させる作用



ブドウのジベレリン処理とは?
種無しブドウを生産する事を目的とした処理で受粉しなくても果実を肥大させる作用を利用した方法です。
未成熟のブドウの房にジベレリン溶液を与えることで、ブドウの房が成熟したときに種のないブドウとなります。通常、果実はめしべの柱頭に花粉がついて受粉することで子房の中に種子ができ、子房がふくらんで実になります。ところが、ブドウは受粉しなくても、房をジベレリン液に浸すことで実を作ることができます。その結果、受粉していないので種なしブドウができるというわけです。
ジベレリン処理時期
ジベレリン処理は品種によって細かい時期は変わりますが、多くの場合で前期処理(開花前)と後期処理(開花後)の2回行われ、前期処理は果実の中に種が出来ないようにするために、後期処理は果実の肥大を促進するために行われます。前期処理は胚珠の成長抑制をすることで果実の受精を阻害し種の形成を防ぎ、後期処理は子房の成長を促し顆粒の肥大や成熟をさせます。
しかし、前期処理の適期は展開葉や花穂の状態をよく観察して把握しますが、その年の気候や栽培品種によっても毎年変わるため難しく、これを逃すと種なしの果実になりません。確実に種無しのブドウにするためには前期処理の適期を十分に把握しなければなりません。
また、種無しになったブドウはそのままでは肥大が悪いため、再度ジベレリン処理を行います。後期処理は、前期処理からおよそ10日~15日後に行うとされており、後期処理は比較的処理時期に幅があるため、降雨の心配のない日を選んで処理を行います。



ジベレリン処理の方法
摘果処理を施した房に、ジベレリン溶液を浸漬・または噴霧します。前の項でも説明しましたが、この処理は、開花前と開花後の2度それぞれ別の目的で行われます。
従来のジベレリン処理法
■ 浸漬
カップにジベレリン溶液を入れその中にブドウの房をひたして処理をします。
※最も一般的なジベレリンの処理方法です。
メリット:カップ内の溶液にひたすだけで、全体をまんべんなく処理する事が出来ます。
デメリット:上の方までひたすためにカップの7~8割の溶液を入れなければならないため手元が重く、腕・肩・腰に負担がかかります。また、溶液をこぼす可能性があります。
■ 噴霧
ジベレリン溶液を噴口などでブドウの房に噴射し処理を行う方法です。
メリット:溶液をこぼす心配がなく浸漬と比べてジベレリン溶液を多く用意する必要がありません。
デメリット:全体にまんべんなく処理するのが難しく、処理するべきでない房や葉にもジベレリンがかかる可能性があります。
※ジベレリン処理はいつでも行っていいものではなく、タイミングがあり、これを逃すと処理が上手くいかず種なしブドウにならなかったり、奇形果になったりします。また、ジベレリン処理をした直後に雨が降りジベレリンが洗い流されてしまうと効果が薄まったりするので、雨の合間を見ながら処理の時期になった房はまとめて処理しなければいけないのです。しかし、ジベレリン処理は基本的に手作業で行わなければならず、少人数で大規模農場の処理を行うことはとても重労働な作業です。
ジベレリン処理器を使って作業効率アップ!
そこでジベレリン処理器の出番です。
今回ご紹介するらくらくカップ2は、浸漬での身体への負担や噴霧での処理にムラがでることを軽減し、さらに作業効率のアップやジベレリン溶液の節約などの期待も出来る商品です。
従来のジベレリン処理の方法(浸漬)だと溶液が入ったカップを持った状態で長時間作業するため、腕・肩・腰など身体への負担がありましたが、この商品を使うことで重いカップを持たずに同様の手順で作業ができるため、作業の省力化・作業時間の短縮ができ、体への負担が軽減されます。
らくらくカップ2はカップの口部分に噴霧口があり、カップにブドウの房を出し入れする事で房全体にジベレリン処理をすることが出来ます。ブドウに着かなかったジベレリン溶液はカップの底から回収され再びタンクに戻る設計になっているため、無駄になりません。さらに常時カップの中は空っぽのため、作業中に溶液をこぼす心配もありません。また、房を折ってしまう心配がなくなるため、処理作業の効率アップ・ブドウの収量アップなど多くのメリットがあります。



ジベレリン処理用資材のご紹介
ジベレリン 処理器 「 らくらくカップ2 」 特徴
➀:ポンプとタンクが肩掛け腰ベルト付きで軽量のため疲れにくい。
②:タンクには最大3リットル溶液が入るため補給する手間を減らせます。
③:カップを傾けても常に液がカップ満杯の状態と同等の効果を発揮します。
④:カップの中は常に空なので房をカップに入れてもカップを傾けても液をこぼすことがありません。
⑤:カップ内での余分な液はタンクに戻る設計のため溶液の節約になります。
⑥:従来の方法のように房をカップに入れるために曲げる必要がないため、房が折れる心配がありません。
⑦:エアーコンプレッサータイプのカップに比べて非常に安価です。
※サイズは、カップの大きさによって小・大・特大の3種類があります。
1回目の処理に使う場合は小がオススメ、2回目の処理に使う場合は大または特大がオススメです。
ジベレリン 処理器 「 らくらくカップ2 」 使い方
➀:タンクの中にジベレリン溶液を入れる。
②:カップのスイッチを入れてカップの口のチューブから溶液が出るようにする。
③:溶液が出ている状態でカップの中央に合わせて2~3回ブドウの房を出し入れし、
全体にジベレリン溶液を付着させる。
④:ブドウの房全体に付着させたら房を軽く振って余分な水滴を落とす。



「 らくらくカップ2 」交換用部品
ブドウ用ジベレリン処理器「らくらくカップ2」の交換用部品、カップ・フィルター・スイッチ・ポンプなどの販売も行っています。



メンテナンス時も安心ニャン。
ブドウ栽培にオススメ便利商品
ブドウのカサ掛け保護器具 カサジゾウ
ジベレリン処理時に処理前か処理後かの目印として使ってもよし、ブドウが成長して来たら
カサによる穂軸や果実の擦れ傷を防止するのに使えます。
対応軸径3.5~7.0mm
収穫期まで使用可能です。
特徴
①:ジベレリン処理時の目印に
②:器具の上からカサ掛けすることにより穂軸の擦れ傷を防止
早期のカサ掛けにより晩腐病を予防
③:自由な高さ調節でカサによる果粒の擦れ傷防止に
摘粒時や農薬散布時に邪魔にならない場所へ



タイベック製 ぶどう傘
カサジゾウと併用することで早期のカサ掛けが可能になり、作業性と品質向上を実現します。
早期のカサ掛けで問題となる風雨による傘の動きや回転で傷みやすい早期のやわらかい穂軸や
果房を保護することで問題を解決しました。マルチにもビニール内張りにも使える素材で
耐久性に優れていて遮光性、透湿性、耐水性に優れており、何回も使うことができるタイプです。
特徴
①:タイベックによる90%以上の高い反射率で、高温時にぶどうを日焼けから守ります。
②:展開葉に効果的に光を当てられるため、養分転流が促されます。
③:軽量で耐久性に優れ、型崩れしにくく、数シーズン使用でき経済的です。
④:雨、薬剤防除の乾きが早く、ブドウをジメジメさせません。
⑤:スリップス、遅腐病から守ります。
使用方法
①:通常のカサと同様にホチキスで止めてください。
②:2箇所を止めるとよりしっかり止まります。
③:商品印字はありますが、機能的に裏表はありません。
さし込みぶどう傘
カサに切り込みが入れられており、そこに差し込むことでテープやホチキスを使わずに簡単に
止めることが出来ます。特殊ポリエチレン製のため雨などに強いです。
特徴
①:特殊ポリエチレン製のブドウ用傘です。
②:ホチキス不要のワンタッチで止められる「サシコミ」タイプ。
サイズ
220×220mm ワンタッチ
※カサ掛け保護器具「カサジゾウ」には使えません。
まとめ
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