稲を健全に育てるために重要な作業の中で田んぼの水管理があります。田植え前に水を取り込んだり、稲の分けつ対策や中干し時の排水など栽培期間を通じて水管理を欠かすことはできません。
そこで、用水路から水口パイプ経由で田んぼに排水を行っている生産者の方も多いかと思いますが、弁の開度により田への通水量を自由に調節できる分水栓をご紹介いたします。

分水栓の接続タイプ
当記事で紹介する分水栓のタイプは2種類あります。
VU・VPパイプの外側に接続タイプ
配水時には弁を上に開き水を通します。通水量は弁の開度により自由に調整が可能です。左右どちら側へも開けますが、必要に応じ弁ストッパー用ネジを取り付けることで片開きにすることも可能です。
VU・VPパイプの内側に接続するタイプ
小用水路から田んぼへの既設配水管入り口内に差し込んで設置するタイプです。通水量は弁の開度により調整自由です。左右どちら側へも開けますが、必要に応じ弁ストッパー用ネジを取り付けることで片開きにすることも可能です。
分水栓(外側接続)2タイプの紹介
VU・VPパイプの外側に接続するタイプを2商品紹介します。
分水栓 KMW1型
接続管のVU・VP管のサイズによって商品を選択します。
KMW1型 詳細図
KMW1の特徴
1. 構造装置が簡単で故障がありません。
2. 合成樹脂(ABS)製で耐蝕・耐熱・耐候性が良好です。
3. 弁は左右どちら側へも開き方向性がありません。ストッパー用ねじ添付します。
4. 取付け、取扱いが簡単でどのような場所にも御採用いただけます。
5. 通水量は弁の開き具合により自由に調整できます。
6. 縦向き、横向きどちらにも設置できます。
7. 型枠止用釘穴、弁固定補助用止ピン穴も設けてあります。
8. サイズも豊富、価格も安価です。
9. 接続管(VP・VU管)を使用して延長可能です。
KMW1分水栓 サイズ表
水口パイプ分水栓 KMW1型(単位:mm) |
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呼称 | 呼内径 | A | B | C | D (接続口外径) | E (流出側再小径) | 接続管 |
KMW1-65 | 65 | 108 | 127 | 40 | 81 | 71 | VU65 VP65 |
KMW1-75 | 75 | 108 | 127 | 40 | 93 | 82 | VU75 VP75 |
KMW1-100 | 100 | 144 | 170 | 40 | 122 | 107 | VU100 VP100 |
KMW1-125 | 125 | 175 | 207 | 49 | 149 | 132 | VU125 VP125 |
KMW1-150 | 150 | 207 | 245 | 58 | 176 | 166 | VU150 VP150 |
KMW1-200 | 200 | 250 | 296 | 76 | 230 | 205 | VU200 VP200 |
■ VU・VP管65㎜
■ VU・VP管75㎜
■ VU・VP管100㎜
■ VU・VP管125㎜
■ VU・VP管150㎜
■ VU・VP管200㎜
分水栓 KMW3型
弁開閉のレバーが付いているので、水の中に手を入れることなく水量を調節して頂けます。接続管のVU・VP管のサイズによって商品を選択します。
KMW3型 詳細図
KMW3の特徴
1. 構造装置が簡単で故障がありません。
2. 合成樹脂(ABS)製で耐蝕・耐熱・耐候性が良好です。
3. 弁は左右どちら側へも開き方向性がありません。ストッパー用ねじ添付します。
4. 取付け、取扱いが簡単でどのような場所にも御採用いただけます。
5. 通水量は弁の開き具合により自由に調整できます。
6. 縦向き、横向きどちらにも設置できます。
7. 型枠止用釘穴、弁固定補助用止ピン穴も設けてあります。
8. サイズも豊富、価格も安価です。
9. 接続管(VP・VU管)を使用して延長可能です。
KMW3分水栓 補足
・弁開閉レバーで水の中に手を入れることなく水量を調節して頂けます。
・水口パイプは水路に横向きに取り付け、レバー操作は上下方向ということになります。また、底側弁ストッパー穴に弁ストッパー用ネジを入れることにより確実に止まります。
・レバーはVP管を使用していますので現場で継ぎ足すことにより延長が可能です。
KMW3分水栓 サイズ表
水口パイプ分水栓 KMW3型(単位:mm) |
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呼称 | 呼内径 | A | B | C | D (接続口外径) | D (流出側再小径) | レバー | 接続管 |
KMW3-65 | 65 | 108 | 127 | 40 | 81 | 71 | VP16 | VU・VP65 |
KMW3-75 | 75 | 108 | 127 | 40 | 93 | 82 | VP16 | VU・VP75 |
KMW3-100 | 100 | 144 | 170 | 40 | 122 | 107 | VP16 | VU・VP100 |
KMW3-125 | 125 | 175 | 207 | 49 | 149 | 132 | VP16 | VU・VP125 |
KMW3-150 | 150 | 207 | 245 | 58 | 176 | 166 | VP16 | VU・VP150 |
KMW3-200 | 200 | 250 | 296 | 76 | 230 | 205 | VP20 | VU・VP200 |
■ VU・VP管65㎜
■ VU・VP管75㎜
■ VU・VP管100㎜
■ VU・VP管125㎜
■ VU・VP管150㎜
■ VU・VP管200㎜
分水栓(内側接続)2タイプの紹介
VU・VPパイプの内側に接続するタイプを2商品紹介します。このタイプは既設管内に差し込むので既設管を有効に使用できます。
分水栓 KMW2型
接続管のVU・VP管のサイズによって商品を選択します。
KMW2型 詳細図
KMW2の特徴
1. 構造装置が簡単で故障がありません。
2. 合成樹脂(ABS)製で耐蝕・耐熱・耐候性が良好です。
3. 弁は左右どちら側へも開き方向性がありません。ストッパー用ねじ添付します。
4. 取付け、取扱いが簡単でどのような場所にも御採用いただけます。
5. 通水量は弁の開き具合により自由に調整できます。
6. 縦向き、横向きどちらにも設置できます。
7. 型枠止用釘穴、弁固定補助用止ピン穴も設けてあります。
8. サイズも豊富、価格も安価です。
KMW2分水栓 補足
・KMW2-150Pのみ接続管がVPタイプになりますので、ご注意下さい。
KMW2分水栓 サイズ表
水口パイプ分水栓 KMW2型(単位:mm) |
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呼称 | 呼径 | A | B | C | D (流出側再小径) | 接続管 |
KMW2-75 | 75 | 108 | 127 | 40 | 71 | VU75 |
KMW2-100 | 100 | 108 | 127 | 40 | 82 | VU100 |
KMW2-125 | 125 | 144 | 170 | 40 | 107 | VU125 |
KMW2-150P | VP150 | 144 | 170 | 40 | 107 | VP150 |
KMW2-150 | 150 | 207 | 245 | 58 | 132 | VU150 |
KMW2-200 | 200 | 207 | 245 | 58 | 156 | VU200 |
■ VU管75㎜
■ VU管100㎜
■ VU管125㎜
■ VP管150㎜
■ VU管150㎜
■ VU管200㎜
分水栓 KMW4型
弁開閉のレバーが付いているので、水の中に手を入れることなく水量を調節して頂けます。接続管のVU・VP管のサイズによって商品を選択します。
KMW4型 詳細図
KMW4の特徴
1. 構造装置が簡単で故障がありません。
2. 合成樹脂(ABS)製で耐蝕・耐熱・耐候性が良好です。
3. 弁は左右どちら側へも開き方向性がありません。ストッパー用ねじ添付します。
4. 取付け、取扱いが簡単でどのような場所にも御採用いただけます。
5. 通水量は弁の開き具合により自由に調整できます。
6. 縦向き、横向きどちらにも設置できます。
7. 型枠止用釘穴、弁固定補助用止ピン穴も設けてあります。
8. サイズも豊富、価格も安価です。
KMW4分水栓 補足
・弁開閉レバーで水の中に手を入れることなく水量を調節して頂けます。
・水口パイプは水路に横向きに取り付け、レバー操作は上下方向ということになります。また、底側弁ストッパー穴に弁ストッパー用ネジを入れることにより確実に止まります。
・レバーはVP管を使用していますので現場で継ぎ足すことにより延長が可能です。
・KMW4-150Pのみ接続管がVPタイプになりますので、ご注意下さい。
KMW4分水栓 サイズ表
水口パイプ分水栓 KMW2型(単位:mm) |
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呼称 | 呼径 | A | B | C | D (流出側再小径) | レバー | 接続管 |
KMW4-75 | 75 | 108 | 127 | 40 | 71 | VP16 | VU75 |
KMW4-100 | 100 | 108 | 127 | 40 | 82 | VU100 |
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KMW4-125 | 125 | 144 | 170 | 40 | 107 | VU125 |
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KMW4-150P | VP150 | 144 | 170 | 40 | 107 | VP150 |
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KMW4-150 | 150 | 207 | 245 | 58 | 132 | VU150 |
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KMW4-200 | 200 | 207 | 245 | 58 | 156 | VU200 |
■ VU管75㎜
■ VU管100㎜
■ VU管125㎜
■ VP管150㎜
■ VU管150㎜
■ VU管200㎜
分水栓を設置する前の注意(確認)するポイント
分水栓は、完全止水できる装置ではありません。仕様環境によっては若干の漏水の可能性があります。その為、畑作・乾田化をされる時期には、注意してご使用ください。
漏水の原因
・扉と本体の間に異物が挟まることで漏水が発生する可能性があります。
・接続管が不同沈下し、重みで分水栓がゆがむ場合があり、それが原因で漏水が発生する場合があります。
・壁と製品の設置面をコーキング等で隙間を塞がない場合、漏水する場合があります。
・コンクリート打設によって、製品がゆがむことで漏水します。
(モルタル・ボンド・コーキング材にて後付してください。)
※ただし、設置直後に多少の漏水が見られても、徐々に現場に馴染み、漏水が改善していくこともありますので、少し様子を見て頂くことをお勧めします。
まとめ
いかがだったでしょうか?稲や野菜の栽培に欠かせないのが「水」です。しかし、栽培期間中には大雨・長雨など自然の脅威にも対策をしなくてはいけません。
その中で、分水栓は田んぼに水を取り込む際に、弁の開度により田んぼへの通水量を自由に調節できる大変便利な商品となっております。
是非、ご自身の環境にあわせてご活用下さい。