次に始めるならネギ!その理由と栽培方法をご紹介
一年中流通しているネギは栽培品目を増やす際におすすめです。その理由は販売価格の変動率にあります。この記事ではネギの基本的な栽培方法もおさらいするので、ネギ農家への就農を考えている方にも必見です。
- 目次 -
次に始めるならネギ!
様々な料理に使われるネギは一年を通して流通しています。
ネギは元々冬の野菜であることから冬に販売価格が上昇しますが、春から秋にかけては販売価格が安定しているのが特徴です。地域にもよりますが、どの時期にも栽培しても安定した収入の得られるネギは、既に栽培している作物の閑散期に栽培でき、品目を増やす際におすすめです。
次はネギの栽培について見て行くニャン!
ネギの栽培特性
ネギは暑さ・寒さ・乾燥には強い作物ですが、湿害に弱いという特徴があるので、水はけのいい畑を選ぶようにしましょう。トウ立ちの遅い品種や暑さに強い品種を選ぶことによって年間通して栽培できます。
花芽のついた茎が伸びている状態のこと。
ネギ栽培に適した環境
・生育条件 : 日当たりのいい場所
・土壌条件 : 通気性・排水性に優れた土
・土壌酸度 : pH6.0~7.0
・発芽適温 : 15~20℃
・生育適温 : 15~20℃
ネギの根は浅根性で浅く横に広がっていくという性質をもつため、環境の影響を受けやすい作物です。酸素要求量も多く湿害に弱いとされているので、堆肥などを利用して土づくりを行い土壌の通気性や排水性を確保するようにしましょう。
栽培スケジュール
・春まき : 3月頃に播種、7月頃に植え付け、12月以降に収獲
・秋まき : 9月頃に播種、4月頃に植え付け、9月以降に収獲
上記の栽培スケジュールは大まかな目安です。栽培する地域やどの品種を利用するかによっても異なるので、確認するようにしましょう。
ネギの栽培方法
ここでは、ネギの育苗から収穫までの方法を説明していきます。
種まき
- チェーンポットを水稲育苗箱に広げてセットし、やや堅めに培土を詰め込みます。
- 1cmほどの深さの播種穴をあけ、播種・覆土をして水やりをしましょう。
発芽するまでは乾燥に気を付けてください。種まき後から70~90日で植え付け適期になります。
- 畑で育苗する場合は、pH調整をして肥料を混ぜ、1週間ほど休ませた畑に、種の間隔が1cmほどになるようすじ播きをします。
畑の準備
- 苗を育てている間に畑の準備をしておきましょう。まず、土壌酸度計で土壌pHを測定し、ネギ栽培に最適なpH=6.0~7.0に調整します。
- 酸性だった場合、苦土石灰を使用して調整します。その他に堆肥や元肥も加えて混ぜ込んでおきます。
植え付け
- 育苗箱からチェーンポット苗を外してひっぱりくんにセットし、端にある白い紙を取ったらひっぱりくんを引きながら植え付けていきます。ひっぱりくんは溝きりを同時に行うので、植え溝を掘る必要がありません。
- ネギの白い部分が隠れるように覆土します。このとき葉の分岐部分が土で隠れてしまわないように注意してください。
苗床から引き抜いて同じような太さの物を選んで揃えておきましょう。畝は、管理機や鍬などを使用して深さ15cmほどの植え溝を掘ります。南北の方向になるように植え溝を掘るのが理想的です。植え溝の肩部分に立てかけるようにして苗を置いていき、覆土します。
追肥・土寄せ
- 定植後約30日経過したら1回目の土寄せを行います。そのとき一緒に追肥も行いましょう。
- 追肥と土寄せは、1ヶ月おきで栽培期間中4回程度が目安です。
土寄せを行う際は、ネギの葉の分岐部分より上にならないように注意しましょう。
収獲
- 白い部分が30cm程度になったら収穫適期です。ある程度の大きさになったら1本だけ収穫してみて、よさそうであれば必要な分だけ収獲していきます。
畝の片側を鍬で崩してネギが抜きやすくなるようにして収穫します。このとき、ネギを傷つけないように注意しましょう。ネギを収獲するときは、運搬や保管がしやすい「ネギマキネット」がおすすめです。
作業を効率化するたくさんのアイテム
ネギ栽培には専用の機械や管理機のアタッチメントが販売されていますが、メインの作物ではないため高価な機械をいきなり揃えるのには不安があります。
そこで今回は、ネギ農家が一般的に使用していて比較的購入を検討しやすいおすすめアイテムをご紹介します。アイテムをうまく使って作業を効率化しましょう。
育苗時のアイテム
日本甜菜製糖 チェーンポットCP303
チェーンポットはチェーン状に連結されているハニカム構造のポットで、苗を264株作ることができます。チェーンポットでの育苗は、畑で育苗する方法と比べて揃いのいい苗を大量に作ることができ、移植器を利用して定植するので作業を省力化することができます。
こちらの記事でチェーンポットについて詳しく紹介しているニャン!
定植時のアイテム
土寄せ時のアイテム
収穫時のアイテム
ネギ栽培で注意したい病気・害虫
栽培期間は病害虫に注意しましょう。ネギの栽培で発生しやすい代表的な病害虫の予防法や対処方法を紹介します。
病気
主な病害には次のようなものがあります。
・症状:葉に錆びのようなオレンジ色の斑点ができる
・発生条件:比較的気温の低い時期で雨が多くなると多発
追肥を行い肥料切れが起こらないようにしましょう。また、病気になってしまった葉はすぐに取り除いて処分するようにしてください。
・症状:同心円状の病斑が出たあと、カビが生えてくる
・発生条件:高温で雨の多いときに多発
カビが飛散すると被害が拡大してしまうので、見つけ次第取り除き処分するようにしましょう。
・症状:下葉が日中萎れて夜間に戻る症状を繰り返し、やがて葉が黄色く変色します。
・発生条件:28℃前後の高温と乾燥によって発生
育苗中や定植後2ヶ月以内に発生しやすい病気です。被害を受けた株は見つけ次第すぐに処分してください。
害虫
主な害虫には次のようなものがあります。
・症状:葉の表面に絵をかいたような模様が現れる
放置すると全体が食害されてしまい収量にも影響するので、見つけ次第捕殺するかハモグリバエに効果のある薬剤を使用して防除しましょう。
・症状:被害としては成虫や幼虫が葉を吸汁し、その部分が白く変色します。
アザミウマは5~6月にかけて多発する害虫です。基本的にアザミウマを捕殺するのは難しいので、効果のある薬剤を使用して防除しましょう。
病害虫は対策にはこちらの記事がおすすめだニャン!
まとめ
作業工程 | 便利アイテム | 特徴 |
---|---|---|
育苗 | 揃いのいい苗を大量に作ることが できます |
|
ねぎ培土 |
60日程度肥効が持続し 育苗中の追肥は必要は ありません |
|
定植 | ひっぱりくん |
溝切から鎮圧まで 定植に必要な作業を同時に行えて 作業効率がアップします |
土寄せ | 管理機の前方に取り付けて 前進させることで、 ネギの株元へ寄せることができます |
|
収穫 | ネギマキネット |
収獲したネギをネットに置いたら 包んで金具をかけるだけで 持ち運びに便利 |
今回は、ネギの栽培方法について解説しました。ネギは栽培期間が長く管理作業の工程も多いため大変な部分もありますが、収益性が高い作物でもあります。これからネギ栽培にチャレンジする方はぜひ参考にしてください。
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