マルチシートの色の違いは?色ごとの効果や、基本的なマルチシートの張り方もご紹介!

マルチシートは農業だけでなく、家庭菜園でも多く利用される農業資材です。しかし、マルチシートには様々な色があり、「何が違うんだろう」と迷ったり、「とりあえず黒で」と思う人も多いはず。そこで今回は、マルチシートの色ごとの違いを中心に基本的な張り方などを見ていきましょう。

目次

マルチシートとは

マルチシートとは、畑の畝の表面を覆うビニールやポリエチレン製の資材のことで、「マルチ」や「農ポリ」とも言われます。マルチシートには次のような様々な効果があります。

 

草が生えるのを防ぐ

雑草の発芽・成長には光が必要ですが、マルチシートによって光を遮ることで雑草の発芽を抑制できます。


雨で肥料が流出するのを防ぐ

雨水に溶けた肥料成分は雨水と共に畝から流れ出てしまいます。マルチシートで畝を覆うことで雨水がしみこまず、肥料の流出防止に繋がります。

土壌の温度変化をコントロール

マルチシートの色によって地温を上昇させたり、過度な上昇を防ぐ効果があります。

土壌の水分を保つ

畝から水分が蒸発してしまいますがマルチシートで覆うことによって蒸発を防止します。

病害が広がるのを抑制する

病害の胞子などは土壌に落ちると泥はね、水はねによって拡散していきます。マルチシートで畝を覆うことで泥はねの防止になり、病害の拡散防止に繋がります。

 

色の違いとは?

農業用マルチシートは黒や透明が一般的ですが、その他にも複数の色のものが存在し、色によってそれぞれ効果が異なります。何が違うのか、どんな効果が得られるのか見ていきましょう。

 

黒「雑草抑制&地温抑制効果」

太陽光を遮るので雑草抑制効果が高く遮光効果により地温の上昇を防いでくれるので、播種や定植の可能期間を延ばすことができます。夏に使うとフィルムが熱くなり、地温が高くなり過ぎたり葉焼けの原因にもなります。夏場の使用は避けるか、敷きワラとの併用がおすすめです。

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ハイバリアー 黒

機能性多層フィルムで気化による消毒液の揮散を防ぎます。

 

透明「地温上昇効果」

日光を通すので土の温度を上げる効果が高いです。秋〜冬〜春の気温が低い季節に使うことが多く、冬場の凍結防止や土壌の殺菌にも使用します。雑草を抑制する効果は期待できません。

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ハイバリアー 透明

機能性多層フィルムで気化による消毒液の揮散を防ぎます。

 

緑「黒と透明の中間」

地温上昇効果は「透明>グリーン>黒」、雑草抑制効果は「黒>グリーン>透明」と、黒と透明の中間の効果があります。

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MARSOL グリーンマルチ

地中の温度を高め土中水分の蒸発を抑制します。

 

銀「地温抑制&害虫避け効果」

光を反射するので土壌温度が上昇するのを防いでくれます。反射光を嫌う害虫(アブラムシ、アザミウマなど)を忌避する効果もあります。作物により、反射光による光合成や果実の色付けに使う場合もあります。

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シルバーアルミマルチ

害虫避けに効果抜群です。

 

白黒「地温抑制&雑草抑制効果」

表面が白(光を反射)で裏面が黒(遮光)のシートで、地温上昇を抑える効果が高いです。裏面が黒なので、雑草の発生を防ぐ効果もあります。冬場は黒を表にして使うことも可能です。

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ブラック&ホワイトマルチ

白面の反射効果により、地温の上昇を抑えます

 

銀黒「害虫除け&地温抑制&雑草抑制効果」

表面の銀色が裏面の黒のシートで、光反射&遮光で地温を抑制するだけではなく、害虫の飛来や雑草の発生を抑える効果もあります。

シルバー面を上に、黒面を下にして使用してください。

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リバースマルチ 銀黒

防虫効果地温、雑草抑制効果があります。

 

その他の種類と選び方

マルチシートには様々な種類があり、使いたい用途に合わせて選ばなければいけません。マルチシートは厚み、幅、長さ、穴の有無で選びましょう。

厚み

一般的に使われているマルチシートの厚さは、0.02㎜です。撤去する際に破れてしまうことがあるため、0.03㎜を使う方もいます。稀に、土壌消毒後の保護などに0.05㎜が使われることもあります。

 

マルチシートは「95㎝幅」が一般的です(畝の幅は60㎝ほど)。

マルチの幅には、75㎝、85㎝、95㎝、110㎝、120㎝、150㎝、180㎝、210㎝、230㎝、270㎝など、実に多くの種類があります。畝の側面もカバーすることを考え、畝幅より30〜50㎝くらい幅広のものを選びましょう。

 

長さ

マルチシートには、10m、50m、100m、200mといった長さがあります。使い切れない場合、商品によっては次の年に回すこともできます。

 

穴の有無

マルチシートには、植え付け用の穴が開いている「穴あきマルチ(有孔マルチ)」があります。マルチを張ってから穴を開ける必要がないので、作業軽減を図ることができます。穴の大きさ、列数、穴と穴の間隔、配列が様々で、野菜の大きさに適したものを選びます。

  

マルチシートの使用方法

マルチシートを効果的に使うには、すぐに剥がれたりしないように、しっかりと張るようにしましょう。今回は鍬を使った基本的な方法をご紹介します。

マルチシートの基本的な張り方

STEP
畝を作る

マルチシートを上手に張るために、畝を固く平らにならして形成するのがポイントです。

STEP
マルチシートを伸ばす

マルチシートを畝の端に置き、少しシートを伸ばします。中心線がある場合は、畝の中心に線がくるようにします。

STEP
土で押さえる

マルチシートの端を足で押さえながら、鍬(くわ)を使って畝の周りの土をかけ、しっかり鎮圧します。

STEP
マルチシートを最後まで伸ばす

中心線がずれないようにマルチシートを畝の反対側まで広げ、反対側の畝端にも土をかけます。

STEP
切って土で押さえる

マルチシートを切ります。マルチシートのすそを足で踏んでたゆみをピンと張り、鍬で土をのせて鎮圧します。

 

長い畝にマルチシートを張る場合、マルチ張り機(マルチャー)を使うことで、簡単に早く張ることができます。マルチ張り機には、一人けん引タイプ、二人けん引タイプ、管理機タイプ、トラクタータイプがあります。

 

回収の方法

通常のビニールやポリエチレン製のマルチシートは、収穫後に剥がして回収し、産業廃棄物として処理しなければいけません。家庭菜園の場合は各自治体で定められた方法で処分します。大量の回収は重労働ですが、マルチシートの巻き取りができるマルチ回収機を使えば、効率的に行うことができます。

 

生分解性マルチ

収穫後のマルチシートの回収・処分が不要なのが、「生分解性マルチ」。生分解性マルチとは、土壌中の微生物によって最終的に水と二酸化炭素に分解されるマルチシートのことで、作業の効率化が図れるだけではなく、プラスチックゴミの削減、産業廃棄物処理のコストの低減にもなります。

 

生分解性マルチの使い方

使用方法は通常のプラスチック製と同様ですが、生分解性マルチの方が少しだけ強度が弱い傾向にあるため、ややゆるめに張ります。収穫後はシートがもろくなってから、地中にしっかり埋まるようにすき込みます。土の表面に残っていると分解が遅れ、周辺に飛散する恐れがあります。

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生分解マルチ 黒 サンバイオXB

黒は雑草を抑制する効果が高く、温暖地での春作・夏作・秋作に適します

生分解マルチ 半透明 サンバイオSN

地温を上げる効果が高く、寒冷地での使用や、温暖地での春の早植え・冬作に適します

 

まとめ

基本のマルチシート

商品名特徴

ハイバリアー 黒
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黒:雑草抑制&地温抑制効果

機能性多層フィルムで気化による
消毒液の揮散を防ぎます。

ハイバリアー 透明
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透明:地温上昇効果

機能性多層フィルムで気化による
消毒液の揮散を防ぎます。

MARSOL グリーンマルチ
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緑:黒と透明の中間

地中の温度を高め、土中水分の蒸発を抑制します。

シルバーアルミマルチ
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銀:地温抑制&害虫避け効果

害虫避けに効果抜群です。

ブラック&ホワイトマルチ
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白黒:地温抑制&雑草抑制効果

白面の反射効果により、地温の上昇を抑えます。

リバースマルチ 銀黒
詳しくはこちら
銀黒:害虫除け&地温抑制&雑草抑制効果

防虫効果や地温、雑草抑制効果があります。

 

生分解マルチシート

土壌中の微生物で分解されるため、回収処分の要らないマルチシートです。

商品名特徴

生分解マルチ 黒 サンバイオXB
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温暖地での春作・夏作・秋作に適した
黒色タイプです。

生分解マルチ 半透明 サンバイオSN
詳しくはこちら
温暖地での春の早植え・冬作に適した
透明タイプです。

 

今回は、マルチシートの種類や選び方、銀黒マルチシートと生分解性マルチのおすすめ商品の紹介をしました。マルチシートを活用することで、雑草抑制や地温調整、害虫避けなど様々なメリットがあります。育てる品目、時期、用途、求める効果などに合わせ適したマルチを選び、野菜・果樹作りに役立てましょう。

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