現在、流通しているお米の約7割は「検査米」といって、JAなどの機関によって検査が行われています。いくつかの検査項目がありますが、色・粒ぞろいなどの検査にはカルトンが欠かせません。そんなカルトンですが、色や形が様々です。米検査の基本をおさらいしつつ、どんなカルトンがあり、どんな時に使うのかを見ていきましょう!
米の検査とは?

お米は農産物検査法という法律に基づき品位検査および成分検査が行われています。検査を受けると規格に基づき等級が付与され、「産年・産地・重量・品種」が登録検査機関により証明されることになります。販売時にはJAS法に基づき「産地・産年・品種」などを袋に表示することが可能になります。また、現状では加工販売などで使用される業務用米についてはJAS法に基づいた表示は義務付けられていません。
お米の検査については必ず受けなければ出荷できないということではないですが、未検査米で流通することになるので価格が安くなってしまうというデメリットがあります。また表示においては「国内産」であることしか明記することができません。産地や品種などは消費者にとって購入時の判断材料にもなっている重要な情報です。大事に育てたお米の素晴らしさをしっかりと伝えるためにも検査を行うことをおすすめします。
検査内容
重量検査

検査機関に持ち込まれた米は紙袋ごと重量が測定され、刺子を用いて検査に使われる米がランダムに抽出されます。
水分検査

米に含まれる水分量は貯蔵性と食味に関わっています。米の水分量が多いほど貯蔵性が悪くなり、逆に水分量が少なすぎると浸水時のひび割れの原因になるため低品質になります。食味では規定された上限値に近いほど食味が高くなります。
色・粒ぞろいの検査

カルトンに米が入れられ、色や粒ぞろい、大きさが検査されます。白と黒のカルトンを使い分けることで品質を確認します。着色粒は0.1%以内で1等米、0.3%以内で2等米、0.7%以内で3等米です。粒ぞろいは70%以上であれば1等米、60%~70%未満は2等米、45%~60%未満は3等米、45%未満は規格外米とされています。
長期保存されると発生する古米臭や、空気のない状態での保存で発生するアルコール臭がした場合、米の品質が低下しています。保存していた袋では臭いが移っているため、カルトンに移して確認を行います。
米検査用カルトン
カルトンには白黒違いだけでなく、丸や四角、鏡がついているものなどがあり、目的に合わせて使い分けます。まずはカルトンの中でも基本タイプを見ていきましょう。
丸型と角型カルトンがあり、一般的なのは丸型です。角型は並べた時に隙間ができないため、好んで使用する方もいます。形を決めたら、白色と黒色をセットで使用します。
白色カルトン
黒色カルトン
その他のカルトン
カルトンはスタンダードなもの以外にもさまざまなタイプの商品が販売されています。ここでは米検査の際にあると便利なカルトンをご紹介します。
鏡付カルトン
百粒選別カルトン
米検査のセット品も!
整粒に使用するフルイカルトンと、目視検査に使用する鏡付き計測カルトンがセットになっています。下から鏡付計測カルトン、フルイカルトンの目合いの小さいもの、大きいものの順で重ね、玄米を入れてふるい目に沿って平行に振り、クズ米を判別します。フルイカルトンについては、目合いのサイズを選ぶことが可能です。
【セット内容】
・整粒フルイカルトン 2枚
・鏡付計測カルトン
・計量マス
【目合いサイズ】
1.80 1.85 1.95 2.00 2.05 2.10 2.20 2.50
「米質検定器 4点セット」の使用方法
- 計量マスに玄米を入れて余分な玄米をすり切る。
2. 鏡付き計測カルトンに玄米を移す。鏡で胴割米などがないかを確認し、白地の部分で着色米や異物が混入していないかを判別する。
3. 下から鏡付計測カルトン、フルイカルトンの目合いの小さいもの、大きいものの順で重ね、玄米を入れてふるい目に沿って平行に振る。
4. クズ米などを落としたら鏡付計測カルトンの計測線に並べてクズ米の割合を判別する。
まとめ
丸型カルトン
商品名 | 特徴 |
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![]() 丸型白 詳しくはこちら | お米に「被害粒」、「あお米」、「着色粒」が どの程度混入しているかを見ることができます。 |
![]() 丸型黒 詳しくはこちら | お米の「整粒具合」、「腹白背白」、 「未熟粒死米」を確認することができます。 |
角型カルトン
商品名 | 特徴 |
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![]() 角型白 詳しくはこちら | お米に「被害粒」、「あお米」、「着色粒」が どの程度混入しているかを見ることができます。 |
![]() 角型黒 詳しくはこちら | お米に「被害粒」、「あお米」、「着色粒」が どの程度混入しているかを見ることができます。 |
その他
商品名 | 特徴 |
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![]() 丸型鏡目盛付き 詳しくはこちら | 鏡が付いていることでお米の裏面も 同時に確認することが可能になっています。 |
![]() 百粒選別白丸型 詳しくはこちら | 底面に米粒用の溝が100粒分あいている、 百粒選別カルトンです。 |
![]() 米質検定器4点セット 詳しくはこちら | 整粒に使用するフルイカルトンと、 目視検査に使用する鏡付き計測カルトンが セットになっている商品です。 |
米の検査は細かい規定によって厳しく行われています。白黒一色の一般的なカルトンだけでなく、様々な種類があることが分かりました。目的に合わせて使い分けて見ましょう。白と黒はセットで使うのがおススメです!
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